個人的な話からはじめると、私の中のマイブームはつい最近までは「引き寄せの法則」であった。いくつかの書籍を読み、実践したところ、大概のものは引き寄せられるようになった。
でも、それでも決定的に上手くいかないことがある。
そういった「引き寄せられない」サブジェクトについては、頭を悩まされ続けていた。
理想の状況を思い描いても、その領域だけは上手く引き寄せられない。しかも、首尾よく引き寄せられたとしても、エゴの仕業でひどい状況が待っている始末。
ほとほと参った私のしたことは、スピリチュアル業界のお決まりの「あの手」だった。そう、「神に祈った」のだ。「食べて、祈って、恋をして」のジュリア・ロバーツさながらに、神に救いをもとめた。
救いを求めると、かならず答えを与えてくれるのがこの世界。
数日後、私が手にした本は「スターピープル33号」だった。
「なんだ、スタピじゃん。」
すでに愛読者であった私は、スタピが神から与えられた答えだとは微塵も思わなかった。
しかし、スタピ33号は何かが違っていた。
まず、表紙が神々しい。そして、なんか分厚い。
特集「人は恩寵なしには生きられないのか!?-明け渡し、あるいは他力の真実」
その言葉を見たときに、ここには、次に来る私へのミッションが入っているとピーンときた。特集扉の今井氏の言葉が胸に突き刺さる。
「人は努力の果てに、諦めの状態に達する。(中略)そして自己を明け渡したとき―恩寵の可能性が開ける・・・。」
正直、当時の私はポジティブシンキングにも、自己実現にも疲れていた。
前向きであれば素晴らしいということがわかっていても、常に前向きであれるほど、人は強くないと思うのだ。
だけど、「自分が変われば世界も変わる」ことをわかってしまっている限り、自分の行いや言動に責任を持とうと、そして世界をコントロールしようと必死だった。
そこには決定的に間違った考えがあった。そう、世界はコントロールできないのだ。
いわばわたしたちは、神が引いた大きな大河の上を小舟に乗っているに過ぎず、与えられたオールで速度を速めたり、緩やかな流れを選んだり、岩をよけたりは出来るものの、川の流れをコントロールすることまでは出来ないのだ。
もちろん、
「綺麗なお花がたくさんのところを通りたいです」
「雨上がりの虹が見たいです」
といったリクエストには答えてくれる。神に限界はないのだ。
しかし、われわれが自ら川を作ることは決して出来ないのだ。
では、そんなリクエストを出すことにも疲れ果てた私はどうしたか?
私は必死で漕いでいた舟のオールを投げ出し、舟の上に寝そべり、「さあ、神様。行き先は全部お任せします」といって、しばし何も考えずに流れに身を任せたのである。
その後は、、、
奇跡的なことは起こってはいない。いまのところ。
ただ、随分楽になったような気がする。
はっきりといえるのは、エゴを観察できるようになった。
そして、前にもまして感謝の念が起こるようになった。
世の中に対して、自らが操縦かんを握ろうなんて考えは、姑息であったと思う。
宇宙にとってわたしたちは、愛おしい赤子だ。さあ、安心して宇宙の愛に身を任せよう。
最後になってしまったが、恩寵のことを書きたかったのに、全部自分の話になってしまった。恩寵のことを知りたい方は、ぜひ「スターピープル33号」を読んでほしい。第2特集の「空海のスピリチュアリティを読み解く」も、非常に読み応えがある内容だ。
特集1「人は恩寵なしには生きられないのか!?―明け渡し、あるいは他力の真実」
インドの覚者バルセカール/アメリカの覚者デヴィッド・R・ホーキンズ/フランスの哲学者シモーヌ・ヴェイユ/聖心女子大学教授・鈴木秀子/佐々木品愚/濱陽一
特集2「空海のスピリチュアルを読み解く」
〔StarPeople Interview & Topics〕
エリックパール×本田健の特別対談/ウォン・ウィンツァン/アリエル・スピルスバリー/イシャ・ラーナー/ディビッド・バウワー&マリディアナ万美子/矢加部幸彦/小松賢次/ヒューマンデザイン/小栗康平/花丘ちぐさ/カルキ・バガヴァン/アルケミークリスタルボウル 牧野持侑/21世紀の現代によみがえる古代メキシコ・シャーマンの知 高橋 徹
その他33号での掲載人物:
半田公宣/ 天野清貴/本田健/伊藤美海/マザーローリー/アーント マサコ/須田郡司/江草久美子/聖龍/カトリン・ロス/羽仁礼/SUGIZO/小野満麿/越智啓子/アラン・コーエン/穴口恵子/マリディアナ万美子 /アーキエンジェルマイケ/大内博/ダスカロ/植芝盛平/治郎丸明穂/山田孝男/生島裕/星 秀加 ほか
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