1995年に量子物理学者のウラジミール・ポポニン博士が、「DNAファントム効果」という論文を発表しました。
そこには、真空のチューブ内に分散した光子に人間のDNAを近づけると、光子がひとりでに整頓し、さらに、DNAを遠ざけた後も光子は整頓したままだったという、驚くべき実験の結果が記されていました。
「DNAはこの世界のエッセンスといえる光子のふるまいを変えたのです。この実験は、古来の伝承やスピリチュアルな文書がずっと昔から伝えてきたこと、すなわち私たち人間は、周りの世界に直接影響を及ぼす存在であることを証明しています。」グレッグ・ブレイデン著『聖なるマトリックス』より
この研究は、人間の存在そのものがどれほど確実に物理世界に影響を及ぼしているかということを端的に示すものとなりました。その後もこうしたエネルギーフィールドに関してさまざまな研究が世界中の量子物理学者の間で行われていますが、いまだにこの物理的な世界の空間に存在するとされている場、フィールドについて統一した見解は得られていません。
ただ、グレッグ・ブレイデンの言葉にもあるように、このことは古くから伝承され、また文書に書かれた叡智として残されてきていることで、昔も今も、彼が「聖なるマトリックス」と呼ぶそのエネルギーフィールドはここに存在し続け、私たちはそれとともに生活しているのだと思います。
ボディワークやエネルギーワークを通じて、日々、人体のエネルギー的な働きを見つめ続けていると、人間の体がいかにこのようなエネルギーフィールドと深く関わり、人間の意識が肉体やその周りにどれほど大きな影響を与えているかを目の当たりにさせられます。
体内のエネルギーの流れを感じ、身体の全体的な整合性をとらえ、その変化を見つめながら肉体的な緊張を解き、痛みや負担を軽減していく、といった物理的なワークの奥深くで起きている変容のプロセスには、クライアントとセラピスト双方の意識と、二人を包むエネルギーフィールドが互いに影響しあいながら一つの望まれる状態に向かっていくという現象が常に含まれているのです。
このことは、ある方向性を意図する、目的を持ったセッションのプロセス以外でも、日常的に起きています。言い換えると、私たちは、意識が投げかける想念や、自分自身が存在することで周りに放出しているバイブレーションをベースに、その周囲のエネルギーフィールドとの関わり合いの中から自身の肉体を構築し、エネルギーフィールドとの無限のつながりの中でこの世界を創り出しているのです。
(つづく)
(富田ショウ)
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