「元伊勢」のパワースポットを知り尽くす一冊


yamatohime_cover.jpgお伊勢参りが人気ですね。かくいう私も昨年は念願のお伊勢参りに行ってきました。
外宮をお参りして、バスに乗って内宮へ。その途中に、「倭姫宮」という神社があるのをご存知ですか?

この「倭姫宮」は、伊勢神宮の遷宮に深く関わった「倭姫命(やまとひめのみこと)」を祀った神社なんです。

倭姫命は、第11代垂仁天皇の皇女で、天照大御神を伊勢神宮に鎮座したと伝承される人物です。

天照大御神はもともと天皇家に祀られておりましたが、別の場所に祀られることになり、その地にふさわしい場所を探して皇女にご神体である八咫鏡が託されます。

豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)が初代御杖代として旅をされましたが、歳を召されたため、遷宮の任は倭姫命に引き継がれました。その時、倭姫命はまだ11歳。その後、天照大御神を祀るのにふさわしい場所を探して、一生をかけて畿内各地を回ったとされております。
つまり、今日の伊勢神宮があの場所に鎮座しておられるのは、倭姫命のご活躍なしには語られないのです。

そして、倭姫命が旅をし、伊勢への遷宮までの間に一時的に天照大御神を祀った場所は「元伊勢」と呼ばれるようになりました。

一時的であれども、天照大御神が祀られた場所なので、非常に神聖な場所であることに違いはありません。伊勢神宮に参拝するのなら、この「元伊勢」にも寄ってみたくはありませんか?しかし、はっきりとわかっている場所は少なく、たいていが「比定地」として候補をあげているに過ぎないのが現状です。

そのはっきりとはわからない候補地を調べて、倭姫命の足跡を辿って旅をした女性がいます。まさに、現代の倭姫命(?)、乾規江さんです。その道中の様子と、元伊勢のルートマップ、元伊勢神社情報をまとめた一冊が『倭姫の旅』です。

旅日記のようで、エッセイのようで、物語のようで、でも、どれにも当てはまらず、それでいて読んだ後、旅を一緒にしたかのように温かい気持ちになる一冊です。
それは、著者がこの旅を自分の「レッスン」として成し遂げたいという、純粋な気持ちから書かれたものだからかもしれません。そして、その土地で感じた「パワー」を非常に素直な表現で伝えてくれています。

さあ、観光地を抜け出して、倭姫命が残してくれた足跡を辿ってみてはいかがですか?

(編集部)

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『倭姫の旅』

乾 規江 著

定価1,470円 (本体1,400円+税)

 

 


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