「もう一度生きなおしてみよう」その決意から始まった物語

kannagara_blog.jpgのサムネール画像悟り、ワンネス、超意識・・・そのような体験をし、覚醒に至った人物の話や、その人物が書いた本は、世にたくさん出ている。
しかし、現代社会に住む私たちとしては、そのようなストーリーを聞いてもなお、「悟り」とはインドの山奥で超越した人物が得る体験であり、私たちの日常とは、まったく関係ないような認識をもってはいないだろうか?

『随(かんながら)神』主人公Aは、そんな私たちと同じ現代社会に生きる人物である。芸能界、音楽業界で活躍し、豊かな現代生活を謳歌していた。
しかし、そんな彼に「その瞬間」は突然やってきたのである。

ある日、仕事の帰り道にAは、歩道橋で意識を失い、階段を転げ落ちた。

「――あれ・・・?死んじゃったのかな・・・ちっとも痛くない・・・。」

しかし、次の瞬間異次元の光の中にAの身体は吸い込まれていく・・・そして、驚きの体験をする。
それはまさに「いまここ意識」の体験。おそらく、悟りといわれる体験。

この体験は、Aの人生そのものを変えてしまう。『随(かんながら)神』では、そこから物語のメインである、不思議なスピリチュアル・アドベンチャーがはじまる。

でも、今回あえてこの冒頭部分に注目したい。つまり、何がAを変えたのか?直接的には、階段から落ちた時に経験した「大いなる気づき」であろうが、その体験に導くもっと重要な決断を、数年前にAはしていた。
それは、それまで自分を「特別な存在」だと思っていたアイデンティティが、根底から崩れるような経験をしたときにした、「もう一度、生きなおしてみよう」との決断である。

この物語の特徴は、著者の実際の経験をもとに描かれているという点である。もちろん冒険小説としてのフィクション部分もあるが、根底に流れる筋道は、実際の著者の経験と重なっている。つまり、これは私たちにも起こり得る物語なのだ。

すばらしい冒険小説を読み終わった後、魔法を使える世界から、現実に戻る時間が必要だが、この小説は、現実に持ち帰れるくらい、主人公が私たちに「近い」。なので、「インドの山奥にさえいけば、自分の人生は変えられるのになあ」という言い訳は、通用しないのである。

自分さえ変われば、世界は冒険に満ちた素晴らしい場所になる。等身大の悟りを知りたい人には、ぜひ読んで欲しい1冊である。


(編集部)
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随(かんながら)神―意識の扉を開く鍵―

阿部敏郎 著
定価:1869円(本体1780円+税)

<著者略歴>

阿部敏郎 Toshiro Abe

「いまここ塾」塾長。1953年、静岡県生まれ。
20歳でシンガーソングライターデビュー。
ラジオのパーソナリティーや俳優としても活躍していた30歳の時、
突然の霊的体験を機に現役を引退。精神世界について学び始め、
禅僧と共に心の学校「いまここ塾」を主宰することになる。2002年、沖縄に移住。
毎朝更新するブログに注目が集まり、現在は日本各地で講演活動を行っている。
著書に、『一瞬で幸せになる方法』(サンマーク出版、2010年)、
『いまここ―すべてがうまく流れ出す宇宙の絶対ルール』(ダイヤモンド社、2010年)などがある。

ブログ「いまここ塾」 http://abetoshiro.ti-da.net/


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