(前回のつづき)
劇場を統率する意識は、現実的な生活に必要なものでありながらも、劇場の多くは、本質から離れていることによって、自己を省みるための機会から自らを遠のかせてしまいます。
劇場へのあこがれは、人生の中で最も必要のないものです。しかし、多くの人がそれを持つことがすばらしいと教えられ、また、そこに向かっていくことをよしとされるような生活を送り続けていることもまた事実です。
劇場を渡り歩く生活から脱し、劇場の数を減らしていく効果的な方法の1つに、ステップ・バック(一歩下がって全体を眺める)という手法があります。