あなたは本当に自分のからだを知っていますか?


moana1104.jpgこんにちは。ボディセラピストの西村祐子です。秋もそろそろ深まってきましたね。みなさまいかがお過ごしでしょうか? 私は、久しぶりに自分への投資、といいますか、タイ古式マッサージの修行をタイ、チェンマイで行ってきました。自分のこれまで持っていた西洋医学的な知識と、インドと中国の間にあるタイの、両国からの影響を受けた、深い東洋医学的な考え方が融合し、とても興味深い、楽しい時間を過ごす事ができました。

さて、今回は、自分のからだについての「自己判断」と「本当のからだ」とのギャップについてお話したいと思います。

私がボディセラピストとしてセッションをさせていただくとき、お客さまには当然、現在のからだの様子をお聞きします。肩が凝っている、背中が痛い、腰がだるい、脚がむくむなどなど。そしてそれが直接的な原因があるものなのか、つまり一時的なものなのか、それとも慢性的に起こっていることなのか、などの情報を聞き取ります。

それらは当然、とても大事なからだの情報ではあるのですが、実はそれ以外にもうひとつ、わかることがあります。それは、その方が、からだのどの部分に「注目していないか」ということです。

例えば、私がお客さまのからだをパッと拝見して、ああ、この方は腰回りに問題がありそうだ、と思うことがあります。けれども、その方は腰まわりのことはひと言も言いません。子宮筋腫などの内臓疾患などもそうです。セッションではからだの外側だけをマッサージするから、ストレスや病気など、内側のことなんて関係ない、と思っている方は、内臓疾患と皮膚や筋肉の状態が関連しているなんて考えもしない、ということもありますし、そもそもそれらはとてもデリケートな問題で言いづらいということもありますが、女性であれば婦人科系の疾患と心身のトラウマはかなり密接に結びついています。そういったお話も、いろいろ聞き進める中で、または施術後気になって聞いてみると、そういえば、とか、実は、といって後からお話してくださる方がとても多いのです。

つまり、その人が持っている最大の問題は「自分が普段意識していないところ」に隠されていることが多いのです。なので、その方が一切話題に触れない箇所で、私がここが気になる、と思ったところこそが、施術のときにキーとなるポイントになることがあるのです。

もちろん、だからといってお客さまがおっしゃることがウソというわけではありません。そこも当然ケアすべきところのひとつです。ですから、そういったお客さまがおっしゃった一次情報と、私がそこから読み取る二次情報の両方を組み合わせて、施術を行うことがとても大事になってきます。

人はあまりに問題が深いと、その場所を「なかったこと」のようにして振る舞います。
例えば、下半身に問題がある場合、そこを見ないで、とにかく上半身のケアをして欲しい、というリクエストがあったりします。

ただし、もし自分の「本当のからだの状態」と「自己判断」にあまりに大きな解離がある場合は、いきなり真の問題点にズバッと入り込むことが正しいやり方か、というとそうではありません。その方にとって、問題解決にいたるための最適な時期、タイミングというものがあり、それを無視して施術をしても、ある種の拒否反応が出てしまい、セッションを続けることができない場合さえあるのです。

そうした場合は、からだの不調の原因の本質をいきなり攻略するのではなく、そのまわりに付随するさまざまな不定愁訴を解決していくことが必要です。要するに、ラスボス(ゲームソフトで最後に出て来る最後のボスキャラ)を、いきなりやっつけることは、いろんな意味でとても難しく、ある程度、小物のキャラをやっつけて、自分も体力と気力を充分につけて、それからようやく、本当の自分のからだの真実を見つけ、そこに向き合うことができるようになるのです。そこに至るまでには、時間と勇気と根気が必要だ、ということがお分かりでしょうか?

次回は、皮膚と筋膜の状態からわかる、からだからのメッセージというテーマでお話いたします。どうぞお楽しみに!

西村祐子

写真:古都タイ・チェンマイにあるお寺 撮影:西村祐子


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