2013年4月:チャレンジの月
2013年4月は、4+(2+1+3=6)=10となり、チャレンジや課題の多くなる月です。「10」はペンデュラム=振り子の揺れを表します。
今月は、今や世界の殆どの国が抱えている、大きな二分裂があらわになってきます。欧州で始まり、アメリカ、日本、そして今中国に波及している「産業革命」が起こって以来、各地域の文化は、大きな振り子の揺れに捉えられました。この振り子のスウィングする動きは、個人個人の心の中に分裂を作りだしただけでなく、遺伝子とDNAにも、さざ波のように影響を及ぼしました。勿論全ての存在は常に運動状態にあり、止まっている物は何ひとつとしてありません。つまり、全ての物事は、常に変化にさらされています。
とはいえ、2013年4月、私たちは自分にこう問いかけなければなりません。産業革命以降、いま起こっているこの変化は、私たちが本当に望んでいる変化なのか? と。自分がいまとった行動から、未来に起こる結果(それは自分たちの文化のみならず、環境や他の生命への影響も含めて)を考えた上で、私たちはこの疑問を投げかける必要があります。今月のチャレンジ/課題とはつまり、振り子のスウィングの動きの中に存在する二分裂に目を向け、中間点がないかを探ることです。
覚えておいていただきたいのは、振り子はA地点とB地点の間をスウィングしていますが、この動きの間には、空間が存在するのだということです。この空間は、「スウィートスポット」と呼ばれます。AとBの地点に目を向けるのではなく、スウィートスポットに存在する場所を考える必要があります。
二分裂は、A地点とB地点の両極を、スウィートスポットから引き離していきます。
西洋文明が世界に波及することによって、変化を経験している殆どの文化圏では、B地点という新たな地点が作られました。かつて文化とは、その国の社会の原理の内側に存在していたわけですが、こういった原理が今や忘れられていたり、あるいは新しいB地点に、変化することもないまま残存するが如く存在しています。A地点は、西洋の産業とテクノロジーというパワフルな影響です。つまり、A地点とは、西洋型の産業およびテクノロジー、B地点は、その国や文化に固有の原理です。ではスウィートスポットはどこにあるのでしょうか?
私はアメリカ人ですので、日本について語ることはできません。それをするのは、傲慢というものでしょう。それゆえ、私は自分が育ち、生きてきた国からお話しすることができるだけですが、こういった立場から語ることをご容赦お願いします。私はすべての日本人の方に、絶対的な敬意をもって、これを語ります。
われわれアメリカ人が、自分たちの国を作った原理や道義を信奉することは、もはやありません。殆どのアメリカ人は、そういったことを意識することもありません。原理や道義とは、目に見えない、霊的/精神的範疇の物事だと見なされます。そういった原理の殆どは、自然からその例を学びとったものです。今日、アメリカ人が追求するのは、目に見える範囲内の物事だけです。要するに、最大の関心事は、自分たちが物質的利益と資本主義的報酬を得ることだということです。これは、われわれが元々もっていた原理や道義とは、何の関係もありません。
(私たちがこの物理世界における肉体に入る時、その理由はひとつしかありません。より幸せな人生を生きること、それだけです。私たちは、自分が幸せな人生を生きるための術を学び、それから他者の幸せな人生のためにどうしたらいいのかを学びます。これが人生というものの意味です。)
原理や道義は、私たちの導き手となってくれます。すべての文化には、固有の原理があります。自分の民族の原理に生きることなく、皆でそれを発展させることもしなかったら、より高次の原理、例えば自然、宇宙、そして超自然に存在する原理を掴むことはできないでしょう。大宇宙へ反射を返している小宇宙の核から始めなければなりません。もしそれができないなら、生命体の一部となることはできず、自分の関心事だけに、利己的に存在することになるでしょう。それは、私たちがこの惑星にいる理由ではないのです。
このことをどう見るか。そのひとつは、フラクタルを通して見ることです。それは、枝葉を広げていくということです。不可視の霊的世界では、全てはフラクタル的であり、集合的です。それは、存在するどの原理も、枝葉を広げて拡大し、その動きを止めることは決してないのだということです。
私たちは、このプロセスを模倣するだけでなく、自分の人生に具現化させなければなりませんが、フラクタルは、上へも下へも広がります。フラクタルは、憎しみ、貪欲さ、偏見といったネガティブにも傾き、全ての生命の「下」の方へ伸びていくこともできますが、愛、思いやり、協力、内包というように「上」を目指してポジティブになることもできます。私たちはそれぞれに、自分がその一部となっているフラクタルを上昇させるのか、下降させるのか、いずれかを選択しなければなりません。
アメリカでは、もともと4つの原理が存在していました。
1. 全ての人の機会平等、
2. 「E Pluribus Unum」(アメリカ合衆国の国璽。”多から一へ”=”多州からなる統一国家/多様性が統一を創造する”の意)
3. 個人の権利と集団的権利の均衡
4. 宗教の自由
当初アメリカは、すべての人がその可能性を最大限に活かして生きることができるよう、皆が互いに機会を与え合い、助け合うという場所でした。われわれの建国者たちは、こう述べました。「アメリカ人は、誰もが適度な豊かさを享受すべきである。貴族や特権階級といった概念は、打ち倒されるべきものである」と。
今日では、特権階級の人々が、その他のすべての人々を支配しています。アメリカ人はもはや、人がその可能性を最大限に活かして生きることができるよう、互いを育て合うことはしません。要するに、私たちは自分の国の原理や同義には生きていないということです。
私たちはこれらの原理を、ネイティブ・アメリカンのイロコイ族から知ったのです。そして、イロコイ族は、この原理を自然から学び取りました。アメリカは「人民の、人民による、人民のための」国です。しかし、ほんの数パーセントの人間によって、独裁的に支配されています。アメリカ人は、物質主義と貨幣利得を増大させるために、自分の国を明け渡したのです。我々のフラクタル共同体は、ネガティブへと急落してしまいました。これが私たちの国が犯している危険です。
私の良き友人たち、今月はあなたの国、日本でも、絶えず振り幅が広がり続けているこの振り子の動きに目を向けるべき重要な月です。一人ひとりが、自分の国の未来の可能性を鑑みて、
今の状況が果たして大丈夫なのか、問うてみてください。アメリカという国の実例を、よく考えて欲しいのです。
(ノボ・カリプソ)
ノボ・カリプソ(GNOBO CALYPSO)さんは、アリゾナ州セドナ郊外在住のミスティカル数秘術士。30年以上にわたりミスティカル数秘術の神聖な叡智を人々と分かちあっています。
『ミスティカル数秘術―パターンを解釈する―』
ノボ・カリプソ 著/小松原さおり 訳
定価 3,014円(税込)
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