埼玉県秩父市『三峯神社』
(前回のつづき)
パワースポットのエネルギーをしっかりと取り入れるには、まずその地で湧いた水を飲み、収穫した食物を食べ、そして温泉に浸り、ゆっくり時間を(少なくとも2時間以上)過ごすこと。
このパワスポ・ルールはどこにいくにしても変わりません。気を感じ取るだけではなく、実際に体内に取り入れることで、心身ともに満たすのです。
さて、三峯神社内の宿泊施設「興雲閣」には、「三峯神の湯」という名の温泉があります。このお湯、つるつる、すべっすべ! まるで美容液にでも浸かっているような、やわらかな肌触りがなんとも気持ちの良い、オススメの温泉です(ナトリウム塩化温泉)。この地で湧いた岩清水で淹れた珈琲やお抹茶をいただける「小教院」へも、ぜひ立ち寄っていただきたいです。
さて、去年の10月のこと。「興雲閣」に宿泊した際、ちょっと不思議な経験をしました。豪華な夕食、気持ちの良い温泉の後、私たち一行が夜のお散歩へでかけたときのことです。
夜9時前には興雲閣の正面扉が閉められてしまうのですが、ちょうど閉めようとしていた警備員さんにお願いして、ちょっと夕涼みに出かけたのです。10月とはいえ秋の山はひんやり寒く、温泉でほてった身体にはとても心地よく。より澄み切った夜の空気がとてもおいしい。辺りは真っ暗。夜の神社は、優しい霧と、灯篭の弱い光で幻想的に浮かび上がっています。
昼間とはまったく別の顔をみせる、とても静かな拝殿、祖霊社、摂末社前を「失礼いたします」と通りすぎ、ある地点まで来たときです。向こうの暗闇に、二人くらいの人影が見えた気がして立ち止まりました。そしてそこから、通せんぼをされているように、まったく足が前に進まなくなったのです。
「ああ、これ以上は行っちゃダメってことかな」と、素直に引き返すことにしたのですが、きびすを返して、もと来た道を歩き出したその途端です。辺りは急に濃厚な霧に包まれ、真っ白に。そして、後ろからぐいぐいと背中を押される感覚がするのです。これは同行の皆さんも感じたようで、道を急ぎました。「はやく帰れー」って言っているのね、なんて話しながらの早歩き。
先ほど通りかかったときはシーンとして、何の気配もなかった摂末社の前まで戻ってくると、明らかに「にぎやかな」気配がします。霧が命を持ったように、まるで大勢がわいわいと話しているような。神様方の宴会でも始まるのかしら…と思ったら、なんだかわくわくしてきて、不遜ながら楽しくなってきてしまった私。怖い感覚はまったくありませんでしたが、明らかに邪魔者はこちらなので、急いで通り抜けました。
背中を押される感覚は、拝殿あたりまで戻ってきたら、ふっと消えてしまいました。山人さんか、神様か。どうやらちょうど人間の時間との入れ替わりの瞬間を垣間見れたようです。あとから聞いた話ですが、夜は山全体で警備システムが作動しているそうで(そりゃそうですよね)、あれ以上進んだら警報でも鳴っていたのかもしれません(止めてくださった山人さん、ありがとう)。
早朝の三峯、宿坊の窓からの風景です。左側に綺麗なオーブが写りこんでいます。神々しい山の朝。
早朝の拝殿。濃い霧が立ち込めていて、まるで生きているような質感があります。良く見るとオーブの塊のようです。
朝霧の中のお散歩。朝から爽やかな空気をいっぱい吸って、エネルギー充填です。足元から湧き上がるように元気がみなぎってくるのです。
日本武尊の銅像です。霧の向こうから巨大な手を振ってくれていて、神秘的ですよね。神話の世界に迷い込んでしまったようです。まるで雲のような、ひんやり気持ちがいい霧。そうか、この標高の高さなら、ほんとに雲の中なのですよね。
濃い霧の中でのご神事の様子(これは山閉祭の様子です)。禰宜さんはじめご神職さんらはとても気さくで、いろいろお話してくださいました。
今年は10月初旬にすでに閉山してしまいましたが、本殿から1時間半ほど登った妙法ヶ岳の山頂に、三峯神社の奥宮があります。軽い山登りを楽しむのも気持ちが良いでしょう。奥宮の山開きは5月です。
お土産屋さん近くの道端にちょこんとあった、龍の姿をしたオブジェ。付近に、複数のオーブが写っています。
三峯神社は、神聖な気が乱されていない数少ないパワースポットのひとつ。ご神域にいる間中ずっとパワーをいただけるのですから、最高です。日帰りはもちろん可能ですが、一泊でも見どころたくさんで楽しめます。文字通り、雲の上の世界を満喫できる奥秩父の三峯神社へ、ぜひ一度あなたも訪れて、たくさんのパワーをいただいてきてください♪ ここは本当にオススメです。
(佳岡美歩)
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