拙著『ミスティカル数秘術ーパターンを解釈する』の主眼は、数秘術における計算方法を説明することではなく、全てのナンバーは生きたパターンを持ち、我われに影響を及ぼしている宇宙の原理が表現されたものであることを理解していただきたい、ということでした。
しかし残念ながら、実際にはナンバーの美しさを深く受け容れていただくというよりも、どちらかというと数値の変換ガイドとして利用されているように思えます。
全ての生命体は、より高い可能性に生きるための、新たな生態的地位を創造するべく互いに動いています。数=ナンバーが象徴しているのは、正にこのことです。このことを理解し、受け容れていないと、数秘術において最も欠くべからざる肝心な教えを逸していることになります。
私がこのように言う理由は、西洋数秘術のシステムが正確だなどとは決して信じたりしないよう、いつも人々に説明しているからです。西洋数秘術では、生年月日のナンバーを全て足し、一桁に還元します。これは、物事をたった一桁の数のみに削ってしまうということになります。これは、数秘術ではありません。これは、時を超越した不朽のサイエンスを小さく丸めこんで利用し、利益を得ようとする小賢しい商業主義的試みだといえます。
全ての物事を、たったひとつの考えや思考、物、目的、入れ物に削り取ってしまうなどというのは、不可能です。それが不可能であることは、自然界を見ればわかるでしょう。自然は、たったひとつの山や岩、木、川、あるいは一種類のタイプの人間、ひとつの種族のみでできているわけではありません。多様性が統一性を創り出しているのです。自然が多様なのであれば、私たち自身も同じように多様な存在です。私たちは大宇宙の小宇宙だからです。
どうか、あなた自身を一桁にまで減らしてしまわないでください。そうすることで、あらゆる存在の生命と進化の価値を減じることになります。全てのエネルギーを受け容れ、そこに内在する周波数を感じてください。
数秘術には、「人生のレッスン」または「宿命」というものが存在します。これは生年月日の全てのナンバーを足した、最後の結果です。それゆえ、人々は無頓着に「ああ、私は数秘術では、“5”の人ね! 」などと言うのですが、これは非常に不正確なことです。
「人生のレッスン」とは、私たちが学ぶべき事柄です。大抵の場合、多くの人は「5」に近づきすらしていないのです。しかし、そうであっても、別にいいのです。この世には、あなたのところに来て、違反のペナルティを課す数秘術警察や、宇宙警察がいるわけではないからです。
「人生のレッスン」は、私たちの人生の案内人となってくれるものです。それは、小さな子が「僕、お医者さんになる! 」と言うのと、あまり変わりありません。その子は、もしかしたら医者になるかもしれないし、ならないかもしれません。が、もしそれが達成されなかったとしても、罰せられることはありません。それゆえ「人生のレッスン」とは、「私たちがどういう人間か」を単純化して表しているのではなく、「どのような存在になっていくことができるのか」の生きた表現なのです。
2013年6月は、高次の周波数エネルギーをもたらします。しかし、一見するだけでは、それを見て取ることはできないでしょう。
ほとんどの人、特に西洋人は、「13」を見るとうんざりしながら、つい目がいってしまうでしょう。重要なことは、単なる「13」ではないのです。その前のナンバー、「0」と「2」が存在することです。これらのナンバーがどのように集まっているのかを見るのが、数秘術におけるシンボリズムの解釈です。それはただ「13」という数があるというのとは違います。
2013年6月(6. 2013)は、このようになります。
6 > 2 = 8(6+2) > 1 = 9(8+1) > 3 = 12/3(9+3)
これが、進むべき道筋です。
「6」(家族、コミュニティ、アート、自然)は、「2」(調和、正義、公正さ、思いやり、愛、平等)を通して表現され、この地上に具現化させられ(「8」)、クリエイティブなプロセスを通じて他者を引き上げることによって、覚醒をもたらし、変容を起こす(「9」)ということです。「12/3」が意味するのは、「この道筋の中で、私たちはどんな存在となるべきか」ということです。このパターンは、自分自身および他者を、互いに引き上げることができるような自己表現と自己創造性のために、驚くべき素晴らしい方法を求めて、見えない世界を探求する宇宙の子供、と解釈されます。
全体としての道筋は、明快で合理的かつ論理的です。が、そのミッションは、喜び、譲ること、自発性、行動の全てを、常に忘れず行うことです。あなたが自然から真理をもたらし、家族や癒し、コミュニティに影響を及ぼすようなアートを、と思っているなら、今月はとても適した月です。というのも、「9」という全ての生命への博愛精神を表すナンバーが、道筋の大きな所に位置しているからです。
ナンバーを足して一桁へと還元していくことに、深い意味を見出すためには、ナンバー/パターンに存在する不可視の部分に目を向け、どのようにしたら、より明確なメッセージを解釈することができるのか、深く見つめることです。
6月の「6」を取り出してみます。2013年の「2013」が、2+1=3,3で、「33/6」から「6」となるのはおわかりいただけると思います。「33」を「6」に還元すると、二つの「6」で、マスターナンバーの「66」が得られます。
私たちがこの惑星において、なぜ、ある特定の物事を成さねばならないのか、その理由を知りたければ、マスターナンバーの原理を見てみることです。2013年6月では、それは「66/3」に存在することだと解釈されます。そして、「66/3」の中でどのように動いたらいいのか示すために、常に同じ「進むべき道筋」が維持されます。「66/3」は、正しいことを行うことによって、協力し合って生きていく方法を他人にも教える、という宇宙的な原理を表しています。
2013年6月は、「66/3」という高次の意志と原理に生き、教えることを学ぶと解釈できます。「66/3」の真に意味するところを詳しく知りたいと思われるなら、『ミスティカル数秘術ーパターンを解釈する』をご一読願えたらと思います。
(ノボ・カリプソ)
ノボ・カリプソ(GNOBO CALYPSO)さんは、アリゾナ州セドナ郊外在住のミスティカル数秘術士。30年以上にわたりミスティカル数秘術の神聖な叡智を人々と分かちあっています。
『ミスティカル数秘術―パターンを解釈する―』
ノボ・カリプソ 著/小松原さおり 訳
定価 3,014円(税込)
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